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2021年1月13日水曜日

いつの間にか、もう新年だ。

  新年の挨拶も遅れてしまいました。と、言っても誰も気にしてないであろうことですが。一応、あけましておめでとうございます。部長の柿原です。今年も鳥取大学映画研究会を宜しくお願いします。新年のムードも終わったけれど、なんとなくブログを更新してみようかなと思った次第でございます。

先日、映画ナタリーを見ていたら後輩が映画を作って参加したらしい「突然失礼致します」とかいう学生映画のプロジェクトが取り上げられてて、俺個人はあまりいけ好かない連中なのだが、あのようなものが学生の理想的な表象としてメディア関係の中にはあるのかもしれないと思った。

 そんなことは別にどうでもいいのだ。今日俺が書きたいことは最近の鳥取は寒すぎるという事。この街に来てから何年か経つが、俺が知る限りここまで雪が降ったのは初めてだ。それに加えて洗濯機が壊れた。連日、深夜には氷点下になるという気候が水道破裂を招いたからだ。そうなるとコインランドリーに行って一時期を凌がなければならない。車の免許もないので、路肩に積もった雪をサンダルで踏みしめながら、大量の洗濯物を入れた登山用のリュックを背負って、駅前まで歩いていく。さながら気分は雪山登山である。アイゼンを持ってたら装備したいが、そんな気の利いたものは持ってない。それにしても、アスファルトで摩耗したサンダルはよく滑る。そんな日に限って空は晴れていて、日光が凍った雪に反射して眩しい。だのでサングラスを掛けて家を出たのだが、結局出来上がったのは不審者である。いかのおすし。もう、雪を喜べる年齢は過ぎたのだなぁとしみじみ感じる。おこたに入って、カーテンの隙間から、音を立てずに積もっていく雪を眺めるのが一番良い。外にでるなんて怖い、怖い。映画観て寝ようぜ。

 

 ここからは読なくてもいいけれど、一般的な大学生の年末年始の過ごし方を参考として書いておこうと思う。皆さんもこれからの学生生活を充実させるため、後学のために役立てて頂ければ幸いである。

先輩から、周りは獣医学科ばかりで話相手がいないし寂しいから来てくれと、言われたので年末年始は神社でバイトする予定だった。言われた通りの日にバイトの面接に行ったのだが、その時からこの連中に囲まれて労働(禰宜さんには奉仕って言えって言われたけど、スケベ面がムカつく奴だった)をしないといけないのかと軽く絶望した。神社へ向かう車の後部座席に座っていた奴が、やけにテンションが高くて気色悪かったからだ。まぁでもどうにかなるだろうと思って、当日を迎えたわけだが、その日目覚めたときから嫌な予感がしていた。いつも通りサンダルを履いて、外界と孤独を隔てる薄いドアを開ける。すると、外は一面雪に埋もれていた。まず、ここでサンダルからブーツか何かに履き替えなかったのが間違いの始まりである。何故意固地になって、ツマラナイ拘りを捨てずにサンダルなど季節外れのものを履いて出たのか。その理由を説明するのは面倒だし、それ以前に聡明な読者諸君の貴重な時間を奪ってしまうのも心苦しいため、詳細は省略させていただく。

吹雪で数十メートル先の道路も見えない中を先輩の軽自動車が走る。助手席に乗った俺は既に文句を垂れていた。年明けをこんな田舎の神社で迎えるよりも、誰か気の合う連中と暖房の効いた部屋でゲームをしながら迎えたいと、確かそんな事を言っていた気がする。

 神社に着くと、平地より山側にあるため雪が異常に積もっていた。京都の都会育ちからすればそれはもう異常でしかないのだが、田舎の世間知らずからすればそれは普通らしい。ニュースでしか見たことがないような風景の中、車から降りる。サンダルでまだ降り積もったばかりの真新しい雪を踏むと、隙間から粉の様な冷たい雪が入り込む。帰りたい。巷に雪が降るように、わが心にも涙降る。

 社務所に入って「わーい、巫女さんばっかりだー」「あれだよね、めっちゃ微妙な顔の奴でも可愛くみえるよね。」と、喜んでいるのもつかの間。新年を雪塗れの神社で迎えようとする奇特な近所のヤンキーやらなんやらが集まってきた。そしてまた雪もより一層降り出す。「もう嫌だなー、すき焼き食べながらガキ使観たいな―」と思っていたら「雪かきをしろ」と言われた。足はサンダル。上着はわけわからん割烹着みたいな白装束。最悪。持ち慣れないし、見慣れない鉄製のスコップで、参拝客が踏みしめた雪が氷になったものを割りながら「もう帰ろう。もう、いいわ。」と心の中で囁く自分がいた。

 そんなに時間は経ってなかったはず。気づいたら遠くから参拝客の若者が一斉に騒ぐ声がした。それに続いて太鼓の音が鳴る。冷たい腕時計を見ると24時を過ぎていた。俺はあっけなく新年を迎えていたのだ。去年の今頃は何をしていたんだろう。今年よりはましな事をしていた気がする。実家の炬燵に入っていたかもしれない。それこそ友達と地元の神社に行ってたかもしれない。覚えてないが、とにかくもう2021年である。騒ぐ参拝客、その中には家族連れがいたり、カップルがいたり、地元の警察、遠くでお守りを売ってる巫女さん。それらの上には絶えず雪が降り続いている。めっちゃ寒い。もう嫌だ。もう二度と来ない。人に優しくしよう。

 左手にスコップを持ち変えて、スマホの画面を見ると友達数人から連絡が来ていた。『あけおめー』。その素っ気ない文章を見た俺は、明日の始発で地元に帰ろうと決めた。


 今回はこんな感じで終わりたいと思います。最後まで読んでくれたみんなありがとな!ってなわけでお疲れ様っす。

 

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