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2011年8月20日土曜日

music & films 理解し合えない2人の対話

飲み会をしていたら、いつの間にか知らない人たちと旅人と呑んでいた。ハイ、部長です。

いやー今回、新入生の作品がすぐに結果を出せたので調子に乗ろうと思っております。
映像作品作って受賞してみたい方いたら、鳥大映研においでよ。できるよ。簡単だよ。マニュアルあげるよ。だって事実だもん。
すいません調子乗りました。ハイ、部長です。

さて今日の一曲は

otem rellikとdanieel ate the sandwicthですよ。まったりとした静かな悲しみ、シンプルな構成。センスが出る作品ですねー。

otemのラップは粗いとも酷評されたりしますが、僕はその粗っぽさが好きだったりします。
あとこの人はやっぱり世界観とかセンスでしょうか。商業系のポップとはと違って、こういう良質インディの楽しみは完成度よりも個性に重点があるところですよね。
映画もそうだと思います。インディにはインディの役割が有ると思います。その人が撮る意味が。
その点で日本の音楽シーンのインディに商業思考=正義の風潮が未だ強いのは少し残念ですね。
「夢なんて手に入れてみたらただの現実だった」って言われる業界での単なる予備軍なわけで、……。

おっと、それでは歌詞を。(対訳は完全に意訳なので悪しからず)

Lyrics:
otem:
my pen is capped, the cradle of my past is snapped, rotting wood
photographs painted black in the back of my mind, misunderstood
Ive grown up with bad luck, the child is forced to choose
a noose or a neck tie, a hard place or rocks in his shoes
keep walking, I know the bigger picture can be daunting
regrets will haunt a lesser man when everything you want is out of hand
these palms have cradled tears, touched death and felt fear
ain't much left to look at and nothing to hold dear
my mother gave me an open mind, my father thick skin
my sister showed me compassion, my brother taught me sin
these are the building blocks stacked with nervous hands
these will be my memories when my bones turn to sand

Danielle:
Here I am sitting in a dark room
thumbing through these pictures of you
in the frozen moments I try to hard to understand how you felt
I am reading maps inside your eyes
colored images I try to read your mind
in these boxes of photos I can see
part of you has become part of me

otem:
before my structures fall, one day I'll stand tall
but I'm made with cracks in the walls

Danielle:
I got eyes and ears and insides
I got hands and I got piece of mind
I am made up of all these things
part of you has become part of me

we folded up the boxes in the late afternoon
the sun shone brightly through the windows as I thought of you

オテム
閉じられたペン、写真に写る幼児の僕、腐ってしまった樹
写真は僕の心の裏側で黒く塗りつぶされ、理解されず
不幸と伴に育った、その子供は選ぶことを迫られる
息もできず、歩くには痛い
それでも歩かされ、もっとましな世界が有りえたと思う
総てが手から零れ落ちていったその時に、後悔と伴に沈むのだろう
この手は古い涙に溢れ、死に触れて慄く

母は僕に寛容さをくれた。父は薄い皮膚を。
妹は僕に同情してくれたし、兄は罪とは何かを教えてくれた。

僕の手で僕の原罪が堆積されていく
僕の骨が灰になる時、これらを想い出と呼ぼうと思う。

ダニエル
暗い部屋に座って、貴方のアルバムをぱらぱらと、逃げるように追う。
貴方が何を感じていたのだろう、と全く見当がつかず、時に凍りつく

貴方の眼球の中の地図を読みながら
ひかりのいろで貴方を知ろうとする
この写真の中で私が見ることが出来るモノ

そこで貴方の一部が私の一部にもなる


オテム

僕の肉体が消え去ってしまう前には、いつか、僕はしっかりと地に足をついて立っていただろう。

でも、僕が間違った存在だったことに変わりは無い(僕はその壁のひび割れから生まれたんだから)。


ダニエル
私は目と耳と中身を得て
手と感情を得る

私は単純にそれらで出来ている

貴方の一部が私の一部となる

私たちは黄昏の、そのアルバム中に囚われていて
私が貴方の事を考えていたように窓から、海岸線の光が差し込んでいる


良い歌詞ですね。暗く弱く、不幸に生きた男の、内省的な<浅野いにお的な>独白のラップ。それに応える受容的姿勢のダニエル。バランスがいい。

オテムが黒く塗りつぶした写真から、自己の過酷な人生を振り返り暗い場所へ沈む時、彼女は暗い部屋で、その写真から彼の命を拾い上げて包摂しようとする。
オテムが、自らを“壁のヒビから作られたのだ”と罵り包摂を拒絶する時、ダニエルが同じ文法でシンプルに“私は目と耳と手と感情で作られている”と記述する。
それは絶対的な存在の肯定で、更に彼女はオテムのfolded Boxに応える形で“貴方の呪われていた場所で私たちは伴に囚われて、伴に居るのだ”と言う。発話する。

ゲイリーギルモアを思い起こした。
さて、分かりあえない2人の供在を聴きながら思い起こしたのが、このドラマ→それでも、生きていく



家にテレビが無く、社会から半分隠居している部長ですが、その間飲み屋でCMを見て気になって7話まで見ました。
だってシリアス系ドラマに満島ひかりですよ!!これは観るしかないでしょう!

一言で言うと、仕事でドラマやってる人達の凄さ、特に脚本力に驚いた次第です。

まぁ、途中からあの二人が禁断の恋愛、ロミオ&ジュリエットになっていくあたりは少し興ざめものですが、それも撮り方を変えれば劇的にできたでしょう。
「箱根の湯」とかあのシーンで言わせるには音が悪い間延びした言葉ですが、それを脚本に入れて商品の宣伝をしなければいけないのが、あの世界の常なのでしょうか。凄い脚本力だと思います。


さてさて、大本命の満島ひかりの演技力ですが、泣きながらふざけんなよ!って独特のイントネーションで発話するその満島ひかり節の健在が見れてとりあえず、にやり。園子温監督なのかと一瞬思っちゃいましたよ。すいませんw

やっぱり、バラエティ全盛の今時のTV業界では役者さんの時間が無いのでしょうか、
え?そこカット変える?1人のフェイスにする?とか
いや、今あの脇役噛んだよね?とか、
いや、この俳優もっと泣くの巧いでしょ?一発撮りなの?アフレコないの?とか、
え?なにこのジャンピングカット?とか
久しぶりにドラマを見ると、映研という活動を通過してみると、色々なものが見えてきました。

全体として、めちゃ巧いのに、役者さんの時間が無かったのか、カット割りやその他ちょこちょこ気になる処があるといった印象を受けました。
でもあんだけカット変わったりして異和感ないのがプロなんだなぁ、と改めて認識したり。

商業になると、個人製作とは、どーも障害が違うんだろうなぁと、今更ながら気付きました。

最後に倫理的なというかそういう話をすると、あぁ、無関係な所で生きてきた人達が書いて作ってるんだな、それって何か違うのじゃない?という立場。俺は。
いや、「お前は語るな、資格が無い」とか言いたい訳じゃない。それはおかしい。語る方がいい。
でも、貴方達商業でしょ?だから結局そういうところでそういう流れにして、ああいうところであんなことしちゃうでしょ?って、思うところはある。

「あの放送見て感動した人は、私の娘をもう一度殺してる」って誰かが言うさ。ザワールドイズユアーズ。

こういう分野・表現って、インディの仕事じゃなかったっけ?

僕は過敏すぎて、遅すぎるんだろうか。

満島ひかり、そういえばドラマで初めて見た―。映画の方が好きだなぁ。(..)

そして安藤サクラと満島ひかりが同じ作品に出てくるだけで、「愛のむきだし」の印象が出てくるのでドラマに集中できねぇ。園子温やっぱすげぇぇって思った次第です。ではではノシ


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